長時間のデスクワークを続けていると、腰の重だるさや鋭い痛みに悩まされる方は少なくありません。
「座っているだけなのに、なぜ腰が痛くなるの?」と不思議に思う人も多いですが、これは単なる疲労ではなく、日常的な姿勢や体の使い方が深く関係しています。
この記事では、理学療法士の視点から腰痛が悪化する原因と、今日から実践できる効果的な対策をご紹介します。
目次
- なぜデスクワークで腰痛が悪化するのか?
- 今日からできる腰痛予防・改善方法
2-1. 座り方を見直す
2-2. 1時間に1回は立ち上がる
2-3. デスク環境の工夫
2-4. 簡単ストレッチ3選
2-5. 体幹トレーニングで腰を守る - 腰痛対策は「積み重ね」が大切
- まとめ
なぜデスクワークで腰痛が悪化するのか?
1. 長時間同じ姿勢でいる
人間の腰は、立っている時よりも座っている時の方が椎間板(背骨の間にあるクッション)にかかる圧が高くなります。
特に前かがみ姿勢や猫背では、椎間板の圧が増して負担が蓄積。これが腰痛の原因となります。
2. 骨盤の後傾(猫背)
背もたれにもたれかかるように座ると、骨盤が後ろに傾き、腰の自然なカーブ(腰椎前弯)が失われます。
これにより腰周囲の筋肉が常に引っ張られ、痛みやこりが発生しやすくなります。
3. 血流の低下
座りっぱなしは腰だけでなく、お尻や太ももの筋肉の血流も悪化させます。
血液が滞ることで筋肉が硬くなり、神経を圧迫してしびれや痛みにつながることもあります。
4. 腹筋・背筋の機能低下
日常的に座ってばかりいると、姿勢を支える腹筋・背筋が弱くなり、腰椎を安定させる力が落ちます。
その結果、少しの負荷でも腰を痛めやすくなります。
今日からできる腰痛予防・改善方法
座り方を見直す
- 骨盤を立てる意識
椅子に深く腰掛け、骨盤をやや前傾させることで腰の自然なカーブを保てます。 - 背もたれと腰の間にクッション
小さなクッションやタオルを腰の後ろに置くことで、猫背予防になります。 - 膝の角度は90度
膝が極端に曲がったり伸びたりしない高さに椅子を調整しましょう。

1時間に1回は立ち上がる
長時間同じ姿勢は腰にとって大敵。
1時間に1回、立ち上がって軽く歩いたり、腰を反らすストレッチを取り入れると血流が改善します。
デスク環境の工夫
- モニターは目の高さに調整
- キーボードは肘が90度になる位置
- 足元にフットレストを置くと骨盤が安定

簡単ストレッチ3選
- 腰反らしストレッチ
立ち上がって両手を腰に当て、ゆっくり上体を反らします(5回) - もも裏ストレッチ
椅子に浅く座り、片足を前に伸ばして前屈(左右20秒ずつ) - 肩回し
両肩を大きく前後に回す(各10回)



体幹トレーニングで腰を守る
腹筋・背筋をバランスよく鍛えることで腰椎の安定性が向上します。
おすすめはプランク(肘つきうつ伏せ)。毎日20〜30秒から始めてみましょう。

腰痛対策は積み重ねが大切
腰痛は一度悪化すると改善に時間がかかります。
しかし、日々のちょっとした習慣改善で、腰への負担は大きく減らせます。
「気づいたら猫背になっている」「仕事に集中すると姿勢が崩れる」という方こそ、環境づくり+意識+ストレッチの3本柱で予防しましょう。
まとめ
- デスクワーク腰痛の主な原因は姿勢の崩れ・筋力低下・血流不足
- 骨盤を立てた座り方、定期的な立ち上がり、デスク環境の見直しが効果的
- 簡単なストレッチや体幹トレーニングで腰を守る
腰は「一生ものの資産」です。
毎日の小さな工夫が、将来の健康な腰を守ります。
今日からぜひ、あなたのデスク周りと習慣を見直してみてください。
コメント