子どものスポーツ障害に多いケガと家庭でできる予防法

リハビリの基礎知識

目次

  1. 子どものスポーツ障害とは?
  2. 成長期に多いケガの種類
     2-1. オスグッド病(膝の痛み)
     2-2. 野球肘・テニス肘
     2-3. シンスプリント(すねの痛み)
     2-4. 足首の捻挫
  3. ケガを防ぐための家庭での工夫
     3-1. ストレッチ習慣を身につける
     3-2. 体幹や下半身の筋力を鍛える
     3-3. 栄養と休養のバランス
     3-4. 正しいフォームと道具の選び方
  4. ケガを早めに気づくためのサイン
  5. まとめ

1. 子どものスポーツ障害とは?

スポーツをしている子どもたちにとって、ケガは避けられないものの一つです。

特に成長期は骨や関節がまだ未発達で、大人と同じ負荷がかかると障害が出やすくなります。これを「スポーツ障害」と呼びます。

スポーツ障害は一度に強い力が加わって起こる「外傷(例:骨折・靭帯損傷)」とは異なり、同じ動作の繰り返しや過度な練習で生じる慢性的な痛みが特徴です。

「ちょっと痛いけど我慢すれば大丈夫」と思って続けてしまうと、長引くケガにつながりやすいので注意が必要です。

2. 成長期に多いケガの種類

2-1. オスグッド病(膝の痛み)

膝のお皿の下が徐々に盛り上がり、走ったりジャンプしたりすると強い痛みが出る症状です。バスケットボールやサッカーなど、ジャンプやダッシュの多い競技に多く見られます。

2-2. 野球肘・テニス肘

投球動作やラケットのスイングなど、腕の繰り返し動きによって肘に負担がかかり、炎症や痛みが出ます。成長期の肘はまだ弱いため、投げすぎ・打ちすぎは特に要注意です。

2-3. シンスプリント(すねの痛み)

長距離ランナーやサッカー選手に多い、すねの内側が痛む障害です。オーバーワークや硬い地面での練習が原因になることが多く、放置すると疲労骨折につながることもあります。

2-4. 足首の捻挫

最も一般的なスポーツ障害のひとつ。繰り返すと靭帯が緩み「クセになる」ため、適切なリハビリやサポートが必要です。

3. ケガを防ぐための家庭での工夫

3-1. ストレッチ習慣を身につける

練習前後に行うストレッチはケガ予防の基本です。特に太もも・ふくらはぎ・股関節の柔軟性を高めると、膝や腰への負担が減ります。家庭でもお風呂上がりなどに「親子ストレッチ」として取り入れると習慣化しやすいです。

3-2. 体幹や下半身の筋力を鍛える

子どもでも安全にできる筋トレは有効です。

・プランク(体幹)

・スクワット(下半身)

・かかと上げ(ふくらはぎ)

など、簡単な運動を家庭でも取り入れると良いでしょう。

3-3. 栄養と休養のバランス

カルシウム、ビタミンD、タンパク質は成長期に欠かせません。加えて、しっかりとした睡眠をとることが、体を修復し強くするために重要です。週に1日は「完全休養日」を作るのもポイントです。

3-4. 正しいフォームと道具の選び方

間違ったフォームや合わないシューズは、ケガの大きな原因になります。動画でフォームを確認したり、靴のサイズを定期的に見直すことが大切です。特に足が大きくなる時期は、半年ごとに買い替えを検討しましょう。

4. ケガを早めに気づくためのサイン

家庭でできる一番の予防は「早めに気づくこと」です。次のようなサインがあれば、無理せず練習を休ませましょう。

  • 片足をかばって歩いている
  • 夜に痛みを訴える
  • 動作のキレが落ちている
  • 同じ場所を繰り返し気にしている

親が「気のせい」と片付けてしまうと、子どもは無理して続けてしまうことがあります。小さなサインを見逃さないことが、最も大切な予防です。

5. まとめ

子どものスポーツ障害は、成長期特有の体の弱さと、練習の積み重ねによって起こります。

家庭でできる予防法は、

  • ストレッチ習慣
  • 体幹・下半身の筋トレ
  • 栄養と休養のバランス
  • 正しいフォームと道具選び
    この4つが基本です。

「痛みを我慢してでも頑張ること」が美徳のように思われがちですが、体を壊しては元も子もありません。

お子さんが安心してスポーツを楽しめるよう、家庭でもサポートしていきましょう。

掲載者情報

総合病院にて理学療法士として勤務し、
腰痛・肩の痛み・膝のリハビリを中心に、
これまで多くの患者さんをサポートしてきました。✨

このブログでは、理学療法士としての経験を活かし、
日常生活で実践できるセルフケアを、
わかりやすく発信しています。

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