~理学療法士が伝える安心・安全な暮らしの工夫~
目次
- はじめに
- 高齢者に転倒が多い理由
- 家の中の「転倒リスク」とは?
- 転倒を防ぐための環境調整ポイント
- 4-1. 居間・寝室での工夫
- 4-2. 廊下・階段での工夫
- 4-3. 台所・水回りでの工夫
- 4-4. 玄関・外回りでの工夫 - 家具や道具を活用した安全対策
- 家族や介護者ができるサポート
- まとめ
1. はじめに
高齢者の転倒は、骨折や寝たきりにつながる大きなリスクです。
しかし、「転倒=筋力低下」と考えがちですが、実は家庭の環境調整によって多くの転倒は防ぐことができます。
ここでは、理学療法士の視点から「家庭でできる転倒予防の工夫」を、わかりやすく紹介します。今日からすぐに取り入れられる小さな工夫ばかりですので、ぜひ参考にしてください。
2. 高齢者に転倒が多い理由
高齢者が転倒しやすいのは、次のような要因が重なっているからです。
- 筋力やバランス能力の低下
- 視力・聴力の低下
- 薬の副作用によるふらつき
- 家の中の段差や暗さ

つまり「身体の変化」と「住環境の問題」が合わさることで転倒リスクが高まります。
3. 家の中の「転倒リスク」とは?
一見安全そうな家の中にも、実は多くの危険が潜んでいます。
- カーペットのめくれやコード類 → 足を引っかけやすい
- 暗い照明 → 視認性が低く、段差に気づきにくい
- すべりやすい床 → 特に浴室や台所で危険
- 段差のある敷居 → つまずきの大きな原因

こうした「小さな危険」を取り除くことが、転倒予防につながります。
4. 転倒を防ぐための環境調整ポイント
4-1. 居間・寝室での工夫
- カーペットは滑り止めシートを敷く
- ベッドや布団の高さを調整(立ち上がりやすい高さに)
- 夜間の足元灯を設置(暗闇での移動を防ぐ)

4-2. 廊下・階段での工夫
- 手すりを設置(廊下や階段の両側にあると安心)
- 階段の段差を目立たせるテープを貼る
- 床は物を置かない(新聞や荷物の放置は大きな危険)

4-3. 台所・水回りでの工夫
- マットは滑り止め付きに
- 浴室には手すりやシャワーチェアを設置
- 水滴はすぐ拭く習慣を家族で共有

4-4. 玄関・外回りでの工夫
- 段差にはスロープを設置
- 靴は滑りにくいものを選ぶ
- 玄関灯を人感センサーにすることで夜も安全

5. 家具や道具を活用した安全対策
最近は高齢者の生活を支える便利なアイテムも増えています。
- 立ち上がりを助ける手すり付き椅子
- 滑りにくい靴下やシューズ
- 杖やシルバーカー(正しい高さに調整することが大切)

無理に「我慢」するよりも、こうした道具を取り入れることで安心して生活できます。
6. 家族や介護者ができるサポート
高齢者自身だけでなく、周囲の協力も転倒予防には欠かせません。
- 定期的に家の環境をチェックして危険を取り除く
- 一緒に軽い運動や散歩をすることで体力維持
- 「危ない」と感じたら早めに相談できる雰囲気づくり

「見守る」だけでなく、「一緒に工夫する」ことが大切です。
7. まとめ
高齢者の転倒は、ちょっとした家庭環境の工夫で大きく防ぐことができます。
- 段差や暗さなどの環境を整える
- 家具や道具を活用して無理なく安全に
- 家族が一緒に工夫し、安心できる住まいにする
転倒は「予防」できるケガです。ぜひ、今日からご家庭でできる小さな工夫を取り入れてみてください。
掲載者情報
総合病院にて理学療法士として勤務し、
腰痛・肩の痛み・膝のリハビリを中心に、
これまで多くの患者さんをサポートしてきました。✨
このブログでは、理学療法士としての経験を活かし、
日常生活で実践できるセルフケアを、
わかりやすく発信しています。
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