目次
- 膝に「水がたまる」とはどういう状態?
- なぜ膝に水がたまるのか|主な原因
- ① 関節の炎症
- ② 外傷やケガの影響
- ③ 関節内の変性(変形性膝関節症など)
- ④ 運動や生活習慣による負担
- 膝に水がたまった時に見られる症状
- リハビリでできる対応
- ① 安静と冷却の工夫
- ② 関節を守るための筋力トレーニング
- ③ ストレッチで膝周囲の柔軟性を保つ
- ④ 歩き方や生活動作の工夫
- 医療機関に相談すべきサイン
- まとめ|膝と上手に付き合うために
1. 膝に「水がたまる」とはどういう状態?
「膝に水がたまる」とよく言われますが、実際には 関節液(滑液) が通常よりも多く分泌され、膝の中にたまっている状態を指します。
関節液は膝の動きを滑らかにし、軟骨に栄養を届ける役割があります。しかし、炎症や負担がかかると過剰に作られてしまい、結果として「水がたまった」と感じられるのです。

2. なぜ膝に水がたまるのか|主な原因
① 関節の炎症
膝関節に炎症が起こると、身体はその刺激から関節を守ろうとして関節液を増やします。リウマチや痛風などの炎症性疾患が原因となることもあります。
② 外傷やケガの影響
スポーツや転倒などで膝を強くひねったり、打撲した場合にも水がたまります。半月板損傷や靭帯損傷があると炎症が続き、関節液が増えることがあります。

③ 関節内の変性(変形性膝関節症など)
加齢や長年の負担で膝の軟骨がすり減ると、摩擦や炎症が生じて関節液が増加します。変形性膝関節症では「水がたまりやすい膝」になるのが特徴です。
④ 運動や生活習慣による負担
過度な運動や、長時間の立ち仕事、体重増加なども膝への負担となり、水がたまるきっかけになります。

3. 膝に水がたまった時に見られる症状
膝に水がたまると、次のような症状が現れることがあります。
- 膝が腫れて大きく見える
- 曲げ伸ばしがしづらい
- 膝の中に圧迫感や違和感がある
- 動かすと痛みが強くなる

症状は「痛み」だけでなく、「重だるさ」「動かしにくさ」として感じる場合もあります。
4. リハビリでできる対応
膝に水がたまったからといって、必ずしも手術や注射が必要なわけではありません。リハビリを通じて、膝への負担を減らす工夫をすることで改善が期待できます。
① 安静と冷却の工夫
まず炎症が強い時は、膝を無理に使わず、アイシングや弾性包帯での圧迫を行うことで腫れを和らげます。
冷却は 1回15分程度 が目安です。

② 関節を守るための筋力トレーニング
膝を安定させる大腿四頭筋(太ももの前の筋肉)を鍛えることが効果的です。
- タオルを膝下に置いて押しつける「タオルギャザー」
- 椅子に座って膝を伸ばす「膝伸展運動」

など、膝に過度な負担をかけない運動から始めます。
③ ストレッチで膝周囲の柔軟性を保つ
太ももの前(大腿四頭筋)や後ろ(ハムストリングス)が硬いと膝に余計な負担がかかります。
ストレッチを取り入れることで膝の動きがスムーズになり、水がたまりにくい状態を目指せます。

④ 歩き方や生活動作の工夫
- 階段は手すりを使って一段ずつ
- 正座や長時間のあぐらを避ける
- 体重管理を心がける

といった日常生活の工夫も、膝への負担軽減に大きくつながります。
5. 医療機関に相談すべきサイン
リハビリやセルフケアだけでは改善が難しいケースもあります。以下のような場合は医療機関の受診をおすすめします。
- 水が何度も繰り返し溜まる
- 強い痛みで歩行が困難
- 発熱や赤みを伴う腫れ
- ケガをしてから急に膝が腫れた

単なる「水がたまった」だけではなく、感染や靭帯損傷が隠れていることもあるため注意が必要です。
6. まとめ|膝と上手に付き合うために
膝に水がたまるのは「体が関節を守ろうとするサイン」です。
原因はさまざまですが、適切なリハビリや生活習慣の工夫によって改善・予防することができます。
膝の違和感を感じたら、無理に動かし続けるのではなく、まずは休めること。そして筋力や柔軟性を高めながら、膝と上手に付き合っていくことが大切です。
掲載者情報
総合病院にて理学療法士として勤務し、
腰痛・肩の痛み・膝のリハビリを中心に、
これまで多くの患者さんをサポートしてきました。✨
このブログでは、理学療法士としての経験を活かし、
日常生活で実践できるセルフケアを、
わかりやすく発信しています。
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