目次
- はじめに
- 理学療法とは?
2-1. どんな目的があるのか
2-2. 具体的なリハビリ内容 - 作業療法とは?
3-1. どんな目的があるのか
3-2. 具体的なリハビリ内容 - 理学療法と作業療法の大きな違い
- 実際の医療現場での関わり方
- どちらが自分に合うのか?選び方のヒント
- まとめ
1. はじめに
病気やけがの後、回復のために「リハビリを受けましょう」と言われることは多いですよね。
しかし、いざ病院に行ってみると「理学療法士」と「作業療法士」という二つの専門職がいて、「どう違うの?」と疑問に思う方も少なくありません。
本記事では、リハビリの代表的な専門職である 理学療法 と 作業療法 の違いを、医療現場で働く視点も交えながらわかりやすく解説します。
2. 理学療法とは?
2-1. どんな目的があるのか
理学療法(Physical Therapy)は、主に 基本的な動作能力を取り戻すこと を目的としています。
歩く、立つ、座る、寝返りを打つといった「生活の土台になる動き」を改善するのが特徴です。

2-2. 具体的なリハビリ内容
理学療法では、以下のようなアプローチが行われます。
- 筋力トレーニング(足腰や体幹を鍛える)
- ストレッチ(関節や筋肉の柔軟性を高める)
- 歩行練習(杖や歩行器を使った訓練)
- バランス練習(転倒予防のための訓練)
- 痛みの緩和(温熱療法、電気刺激など)


つまり「体を動かす機能そのもの」を改善し、日常生活の基盤を整えるのが理学療法です。
3. 作業療法とは?
3-1. どんな目的があるのか
作業療法(Occupational Therapy)は、基本動作に加えて 生活そのものを再び送れるようにすること が目的です。
「作業」という言葉には、仕事だけでなく、食事・着替え・家事・趣味など、日常のあらゆる活動が含まれています。

3-2. 具体的なリハビリ内容
作業療法では、以下のような支援が行われます。
- 食事や着替えの練習
- 家事や買い物のシミュレーション
- 手先を使う訓練(書字、道具操作)
- 仕事復帰に向けた練習
- 認知症や精神疾患に対するリハビリ(記憶訓練、社会参加支援)


「できること」を増やすだけでなく、「自分らしい生活」を取り戻すための支援をするのが特徴です。
4. 理学療法と作業療法の大きな違い
両者の違いをまとめると以下の通りです。
項目 | 理学療法 | 作業療法 |
---|---|---|
目的 | 基本動作の改善 | 生活動作・社会参加の支援 |
対象 | 歩く・立つ・座るなどの身体機能 | 食事・着替え・仕事・趣味など日常活動 |
方法 | 筋トレ、ストレッチ、歩行練習 | 作業練習、手先訓練、認知訓練 |
対応範囲 | 主に身体的な機能回復 | 身体・精神・社会生活まで幅広い |
どちらも「その人らしい生活を取り戻す」というゴールは同じですが、アプローチの切り口が異なるのです。
5. 実際の医療現場での関わり方
病院や施設では、理学療法士と作業療法士が連携してリハビリを行います。
例えば、脳卒中で片麻痺になった患者さんの場合:
- 理学療法士:歩けるように足の筋力を鍛え、バランスを整える
- 作業療法士:片手でも服が着られるように練習し、家事動作を工夫する

このように、両者が協力することで、患者さんの生活の幅をより広くサポートできます。
6. どちらが自分に合うのか?選び方のヒント
リハビリを受けるとき「理学療法と作業療法のどちらが良いの?」と迷うこともあるかもしれません。
選び方の目安は以下の通りです。
- 歩行や体の痛みが気になる人 → 理学療法が中心
- 日常生活や社会復帰に課題がある人 → 作業療法が中心
- 幅広いサポートが必要な人 → 両方を併用
医師の診断に基づき、必要に応じて両方の専門職が関わることが多いので安心してください。
7. まとめ
- 理学療法は「体を動かす基本機能」を改善する
- 作業療法は「生活や社会参加」を取り戻すための支援をする
- 医療現場では両者が協力しながらリハビリを行う
リハビリは単なる機能回復だけでなく、「その人が自分らしく生きること」 を支えるものです。
理学療法と作業療法の違いを知ることで、より安心してリハビリに取り組めるはずです。
掲載者情報
総合病院にて理学療法士として勤務し、
腰痛・肩の痛み・膝のリハビリを中心に、
これまで多くの患者さんをサポートしてきました。✨
このブログでは、理学療法士としての経験を活かし、
日常生活で実践できるセルフケアを、
わかりやすく発信しています。
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