目次
- リハビリと睡眠の関係とは?
- 睡眠中に起こる体の変化
- 筋肉修復と成長ホルモンの働き
- 疲労回復に必要な睡眠時間の目安
- 質の高い睡眠をとるための工夫
- リハビリ中に避けたい睡眠の落とし穴
- まとめ:睡眠を味方にしてリハビリ効果を最大化しよう
1. リハビリと睡眠の関係とは?
リハビリに取り組んでいる方にとって、「運動」や「治療の継続」だけでなく、睡眠の質は回復スピードを大きく左右する重要な要素です。
筋肉や関節に負荷をかけた後、体は夜の睡眠中に修復と調整を行います。逆に、睡眠不足や質の低い眠りが続くと、疲労が抜けずにリハビリの効果が半減してしまうのです。
2. 睡眠中に起こる体の変化
睡眠には「ノンレム睡眠」と「レム睡眠」があり、90分ごとに交互に繰り返されます。
- ノンレム睡眠(深い眠り):筋肉や骨の修復が進み、成長ホルモンが分泌される時間帯。
- レム睡眠(浅い眠り):脳が活発に働き、記憶の整理や自律神経の調整が行われる。

このバランスが保たれることで、体だけでなく心の回復もスムーズになり、リハビリへの集中力も高まります。
3. 筋肉修復と成長ホルモンの働き
リハビリでは筋肉や関節に微細なダメージを与えながら強化していきます。その修復を担うのが成長ホルモンです。
成長ホルモンは入眠後3時間以内の深いノンレム睡眠で最も多く分泌され、筋肉や靱帯の修復、骨代謝の促進に役立ちます。

つまり、寝入りばなの深い眠りを確保することがリハビリ効果を引き上げるカギとなります。
4. 疲労回復に必要な睡眠時間の目安
一般的な成人の理想睡眠時間は7〜8時間とされています。ただし、リハビリ中は体に通常以上のストレスがかかっているため、7時間以上を目安に確保することをおすすめします。
短すぎる睡眠は疲労を翌日に持ち越し、逆に長すぎる昼寝は夜の睡眠リズムを乱す原因になります。
5. 質の高い睡眠をとるための工夫
リハビリ効果を高めるためには「長さ」だけでなく「質」にもこだわりましょう。
(1) 就寝前のルーティンを整える
- 寝る前はスマホやテレビを避け、読書やストレッチなどでリラックスする。
- 就寝時間を毎日ほぼ同じにすることで、体内時計が整う。

(2) 室内環境を工夫する
- 室温は20〜22℃、湿度は50〜60%が理想。
- 遮光カーテンやアイマスクで暗さを保ち、眠りやすい環境を整える。

(3) 食事と飲み物に注意
- 寝る直前のカフェイン・アルコールは睡眠の質を低下させる。
- 就寝2時間前までに消化の良い食事を済ませる。

(4) 軽いストレッチを取り入れる
リハビリで使った筋肉を軽く伸ばすことで血流が促進され、翌日の疲労回復がスムーズになる。

6. リハビリ中に避けたい睡眠の落とし穴
(1) 不規則な睡眠リズム
休日に夜更かしや昼までの睡眠を続けると体内時計が乱れ、成長ホルモンの分泌が減少します。

(2) 昼寝のしすぎ
20〜30分程度の仮眠は効果的ですが、1時間以上の昼寝は夜の入眠を妨げ、リハビリの疲労回復を遅らせる原因となります。

(3) 睡眠薬の乱用
睡眠薬に頼りすぎると自然な睡眠のサイクルが崩れることがあります。服薬は医師の指導を受けることが大切です。

7. まとめ:睡眠を味方にしてリハビリ効果を最大化しよう
リハビリは「運動」「栄養」「休養」の3つの柱で成り立っています。その中でも睡眠は、体の修復と脳のリセットを同時に担う唯一の時間です。
- 入眠後3時間の深い睡眠が最も重要
- 睡眠時間は7時間以上を目安に
- 環境・習慣・食事を整えて睡眠の質を高める
これらを意識することで、筋肉の修復が促進され、疲労も効率的に回復します。
リハビリの効果をさらに引き出すために、ぜひ日々の睡眠習慣を見直してみてください。
掲載者情報
総合病院にて理学療法士として勤務し、
腰痛・肩の痛み・膝のリハビリを中心に、
これまで多くの患者さんをサポートしてきました。✨
このブログでは、理学療法士としての経験を活かし、
日常生活で実践できるセルフケアを、
わかりやすく発信しています。
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