目次
- はじめに
- 四十肩・五十肩とは?
- 症状の進行ステージ
3-1. 急性期(炎症期)
3-2. 慢性期(拘縮期)
3-3. 回復期 - リハビリの基本的な考え方
- 自宅でできるセルフケア方法
5-1. 温熱療法(温めるケア)
5-2. 軽いストレッチ
5-3. 姿勢改善の工夫 - 無理をしてはいけないサイン
- 予防につなげる生活習慣
- まとめ
1. はじめに
「肩が痛くて上がらない」「夜にうずいて眠れない」──中高年世代に多い四十肩・五十肩。正式には「肩関節周囲炎」と呼ばれ、肩の関節を取り巻く筋肉や靭帯が炎症を起こすことで発症します。
今回は、リハビリの基礎知識と、自宅でできるセルフケア方法を理学療法士の視点から解説します。病院に通う前に知っておくと安心できる情報をまとめました。
2. 四十肩・五十肩とは?
四十肩・五十肩は加齢や生活習慣によって起こりやすく、特に40〜60代に多くみられます。肩を大きく動かす「関節包」が硬くなることで、可動域制限と痛みが現れます。
他の疾患(腱板断裂、関節リウマチなど)とも似ているため、長引く場合は医療機関での診断が重要です。
3. 症状の進行ステージ
症状は大きく3つのステージに分かれます。
3-1. 急性期(炎症期)
- 特徴:強い痛み、夜間痛、動かさなくても痛む
- 期間:数週間〜数カ月
→ この時期は安静と痛みのコントロールが中心です。

3-2. 慢性期(拘縮期)
- 特徴:痛みは減るが肩が動かしにくい
- 期間:3〜12カ月
→ ストレッチやリハビリが効果を発揮しやすい時期です。

3-3. 回復期
- 特徴:痛みが徐々に改善し、動きが戻ってくる
- 期間:1〜2年で自然に治る場合もある
→ 無理のない範囲で可動域を広げることが大切です。

4. リハビリの基本的な考え方
リハビリの目的は「痛みを抑えながら少しずつ動きを取り戻す」ことです。
- 急性期は安静を優先
- 慢性期からはストレッチや温熱療法
- 回復期には日常生活動作を増やす

「痛いから動かさない」と肩が固まり、改善が遅れてしまうため、段階に応じたアプローチが必要です。
5. 自宅でできるセルフケア方法
病院でのリハビリに加えて、自宅でできるセルフケアを紹介します。
5-1. 温熱療法(温めるケア)
入浴や蒸しタオルで肩を温めると血流が良くなり、筋肉のこわばりが和らぎます。特にストレッチ前に温めると効果的です。

5-2. 軽いストレッチ
- 振り子運動:机に手をついて体を前に倒し、反対の腕をぶら下げて小さく揺らす
- タオルストレッチ:タオルの両端を持ち、背中の後ろで上下に動かす

どちらも「気持ちいい」と感じる範囲で行い、痛みを我慢しないことが鉄則です。
5-3. 姿勢改善の工夫
猫背姿勢は肩関節を圧迫しやすく、回復を妨げます。背筋を伸ばす・肩甲骨を寄せる習慣を取り入れましょう。
6. 無理をしてはいけないサイン
- 夜眠れないほどの痛み
- 動かした後に数時間以上痛みが残る
- 腕のしびれが出る
これらがある場合は自己判断をやめ、医師に相談してください。
7. 予防につなげる生活習慣
四十肩・五十肩は一度治っても再発することがあります。予防には以下が有効です。
- 毎日の軽いストレッチ
- 姿勢を整える習慣
- 適度な運動で肩まわりの血流を保つ
特にデスクワークが多い方は、1時間に一度肩を回すだけでも効果があります。
8. まとめ
四十肩・五十肩は自然に治ることもありますが、正しいリハビリとセルフケアを行うことで回復を早められます。
- 症状は「急性期 → 慢性期 → 回復期」と進行
- セルフケアは「温める・軽いストレッチ・姿勢改善」が基本
- 無理をせず、必要に応じて医療機関に相談

痛みと上手に付き合いながら、日常生活を少しずつ取り戻していきましょう。
👨⚕️ 総合病院にて理学療法士として勤務
腰痛・肩の痛み・膝のリハビリを中心に、たくさんの患者さんをサポートしてきました。
✨ このブログでは、理学療法士としての経験を活かし、日常生活で実践できるセルフケアをわかりやすく発信しています。
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