目次
- はじめに
- なぜ座りっぱなしで腰痛が悪化するのか
- 椎間板にかかる負担のメカニズム
- 椎間板を守る正しい座り方のポイント
- 背もたれの使い方
- 座面の高さと足の位置
- 骨盤を立てる意識
- 日常でできる腰にやさしい工夫
- 座りっぱなしを避けるコツ
- ちょっとしたストレッチ習慣
- デスク周りの環境調整
- 座り方を改善すると期待できる効果
- まとめ
1. はじめに
デスクワークや勉強、趣味の時間など、気がつくと何時間も座りっぱなし…という方は多いのではないでしょうか。
「ただ座っているだけなのに腰が痛い」と感じるのは決して珍しいことではありません。特に、腰のクッションである「椎間板」には座位姿勢が大きな負担となります。
この記事では、理学療法士の視点から「椎間板を守る座り方」と「日常でできる腰へのやさしい工夫」をご紹介します。
2. なぜ座りっぱなしで腰痛が悪化するのか
座っているとき、私たちの腰は立っているとき以上に負担を受けています。
立位では体重が脚にも分散されますが、座位では上半身の重さが直接「腰椎」と「椎間板」に集中します。
さらに長時間座りっぱなしになると、
- 血流が悪くなり筋肉がこわばる
- 姿勢が崩れ、背中が丸まる
- 骨盤が後ろに倒れ、椎間板に圧力が集中
かといった悪循環が起き、腰痛悪化の原因となります。

3. 椎間板にかかる負担のメカニズム
椎間板は、背骨の間にあるゼリー状のクッションです。
体の重さや動きを吸収する役割を担っていますが、座る姿勢によって圧力のかかり方が変わります。
研究によると、
- 立位の腰椎負担を100%とすると
- 座位は約140%の負担
- 猫背で前かがみになると約180%まで増加
とされており、前かがみの姿勢は特に危険です。

つまり、座り方次第で「腰にやさしい」か「腰に厳しい」かが大きく変わるのです。
4. 椎間板を守る正しい座り方のポイント
背もたれの使い方
背もたれは「寄りかかるもの」ではなく「骨盤を支えるもの」と考えましょう。
クッションを腰の後ろに挟むと、自然と骨盤が立ちやすくなります。

座面の高さと足の位置
- 膝と股関節の角度が90度になる高さ
- 足の裏が床にしっかりつくこと
が基本です。足が宙に浮くと骨盤が後傾してしまい、腰痛につながります。

骨盤を立てる意識
骨盤が後ろに倒れると、腰のカーブ(腰椎前弯)が失われ、椎間板に強い圧力がかかります。
「坐骨で座る」イメージを持つと、自然に骨盤が立ちやすくなります。

5. 日常でできる腰にやさしい工夫
座りっぱなしを避けるコツ
1時間に1回は立ち上がり、軽く体を伸ばすだけでも効果的です。
「トイレに行く」「水を飲みに行く」といった習慣を利用すると、無理なく動けます。
ちょっとしたストレッチ習慣
- 腰を反らすストレッチ(立って両手を腰に当て、軽く後ろへ反る)
- 座ったまま肩を回す
- 首をゆっくり横に倒す

これだけでも血流改善につながります。
デスク周りの環境調整
- 画面の高さを目線に合わせる
- 椅子と机の高さを調整する
- クッションやフットレストを活用する

ちょっとした環境改善で、腰の負担を大きく減らせます。
6. 座り方を改善すると期待できる効果
- 腰痛の悪化を防げる
- 集中力が持続しやすくなる
- 肩こりや首の痛みの軽減
- 姿勢が整い、見た目もスッキリ

「座り方」は毎日の積み重ねです。体に優しい座り方を習慣にすることで、長期的に健康を守ることにつながります。
7. まとめ
腰痛に悩む方の多くは「座っているときに痛みを感じやすい」と言われています。
その原因のひとつが、椎間板にかかる過剰な負担です。
- 骨盤を立てる
- 膝と股関節を90度に保つ
- こまめに動いて血流を改善する
この3つを意識するだけで、腰への負担はぐっと減らせます。
「座りっぱなしだから仕方ない」とあきらめず、ちょっとした工夫で椎間板を守り、快適な毎日を過ごしましょう。
掲載者情報
総合病院にて理学療法士として勤務し、
腰痛・肩の痛み・膝のリハビリを中心に、
これまで多くの患者さんをサポートしてきました。✨
このブログでは、理学療法士としての経験を活かし、
日常生活で実践できるセルフケアを、
わかりやすく発信しています。
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