腰痛と坐骨神経痛の違いをわかりやすく解説|理学療法士が伝える正しい知識

健康コラム

目次

  1. はじめに
  2. 腰痛とは?よくある原因と特徴
  3. 坐骨神経痛とは?症状の出方とメカニズム
  4. 腰痛と坐骨神経痛の違いを整理
  5. 放置すると危険?医療機関を受診すべきサイン
  6. 自宅でできるセルフケアと予防の工夫
  7. まとめ

1. はじめに

「腰痛」と「坐骨神経痛」という言葉、日常でもよく耳にしますよね。

でも実際にはこの二つ、似ているようで別のものを指しています。

「ただの腰痛だと思っていたら、実は坐骨神経痛だった」

「シビレがあるのは全部坐骨神経痛?」

こんな疑問を持つ方は少なくありません。

この記事では、理学療法士の視点から 腰痛と坐骨神経痛の違い をわかりやすく解説し、正しい理解とセルフケアのヒントをお伝えします。

2. 腰痛とは?よくある原因と特徴

腰痛とは、文字通り 腰まわりの痛み を指す非常に幅広い言葉です。

主な原因

  • 長時間のデスクワークや姿勢の乱れ
  • 腰の筋肉の疲労や血流不足
  • 椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症といった構造的な問題
  • ストレスや自律神経の乱れ

特徴

  • 腰そのものに痛みや重だるさを感じる
  • 前かがみや長時間の立位・座位で悪化しやすい
  • シビレは必ずしも伴わない

つまり、腰痛は「腰の痛み」をまとめた総称であり、原因は多岐にわたります。

3. 坐骨神経痛とは?症状の出方とメカニズム

一方で「坐骨神経痛」は、実は病名ではありません。

坐骨神経痛の症状

坐骨神経という太い神経が刺激されて出る症状 を指す言葉です。

坐骨神経とは?

  • 腰からお尻、太ももの裏、ふくらはぎ、足先まで伸びる長い神経
  • 人体で最も太く長い神経のひとつ
  • お尻から太もも、ふくらはぎ、足先にかけてのシビレや痛み
  • 「電気が走るような痛み」や「ピリピリした感覚」
  • 足に力が入りにくい、感覚が鈍いといった神経症状

よくある原因

  • 椎間板ヘルニア:飛び出した椎間板が神経を圧迫
  • 脊柱管狭窄症:加齢や変性で神経の通り道が狭くなる
  • 梨状筋症候群:お尻の筋肉が硬くなり神経を圧迫

4. 腰痛と坐骨神経痛の違いを整理

腰痛と坐骨神経痛の違いを表にすると、理解しやすいです。

腰痛 坐骨神経痛
定義 腰の痛み全般を指す症状名 坐骨神経が刺激されて出る症状
症状 腰の痛み・重だるさ お尻~足にかけてのシビレや痛み
原因 筋疲労、姿勢、椎間板、ストレスなど多岐 ヘルニア・狭窄症・筋肉の圧迫など神経性
受診目安 日常生活に支障が出る痛み シビレや力が入らないなど神経症状が強い

つまり、腰痛は「広い概念」、坐骨神経痛は「神経症状に特化したもの」と理解すると整理しやすいでしょう。

5. 放置すると危険?医療機関を受診すべきサイン

腰痛や坐骨神経痛は、軽症なら自然に改善することもあります。

しかし、次のような症状がある場合は注意が必要です。

  • 足に強いシビレや脱力感がある
  • 排尿・排便がコントロールできない
  • 夜も眠れないほどの痛みが続く
  • 数週間たっても改善の兆しがない

これらは神経が強く圧迫されているサインかもしれません。

自己判断せず、早めに整形外科や専門医を受診しましょう。

6. 自宅でできるセルフケアと予防の工夫

軽度の腰痛や坐骨神経痛であれば、日常生活の工夫で症状を和らげられることもあります。

姿勢を整える

  • 長時間同じ姿勢を避ける
  • デスクワークでは背筋を伸ばし、腰を支えるクッションを活用

適度な運動

  • ウォーキングやストレッチで血流改善
  • お尻や太もも裏の筋肉をやわらかく保つ

体幹トレーニング

  • 腹筋・背筋をバランスよく鍛えることで腰の負担を軽減

ストレス管理

  • 睡眠をしっかり取り、リラックスする時間を意識的に作る

ただし、強い痛みやしびれがあるときは無理せず安静にしましょう。

7. まとめ

  • 腰痛は「腰の痛み全般」を指す広い言葉
  • 坐骨神経痛は「神経が刺激されて足まで広がる痛みやシビレ」のこと
  • 両者は重なる部分もありますが、神経症状があるかどうか が大きな違い
  • 受診すべき危険サインを知っておくことが大切
  • 姿勢・運動・筋力トレーニング・ストレス管理が予防に有効

正しく理解することで「ただの腰痛だと思っていたら…」という不安を減らし、早めの対応につながります。

掲載者情報

総合病院にて理学療法士として勤務し、
腰痛・肩の痛み・膝のリハビリを中心に、
これまで多くの患者さんをサポートしてきました。✨

このブログでは、理学療法士としての経験を活かし、
日常生活で実践できるセルフケアを、
わかりやすく発信しています。

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