目次
- はじめに
- 腰痛とは?よくある原因と特徴
- 坐骨神経痛とは?症状の出方とメカニズム
- 腰痛と坐骨神経痛の違いを整理
- 放置すると危険?医療機関を受診すべきサイン
- 自宅でできるセルフケアと予防の工夫
- まとめ
1. はじめに
「腰痛」と「坐骨神経痛」という言葉、日常でもよく耳にしますよね。
でも実際にはこの二つ、似ているようで別のものを指しています。
「ただの腰痛だと思っていたら、実は坐骨神経痛だった」
「シビレがあるのは全部坐骨神経痛?」
こんな疑問を持つ方は少なくありません。
この記事では、理学療法士の視点から 腰痛と坐骨神経痛の違い をわかりやすく解説し、正しい理解とセルフケアのヒントをお伝えします。
2. 腰痛とは?よくある原因と特徴
腰痛とは、文字通り 腰まわりの痛み を指す非常に幅広い言葉です。
主な原因
- 長時間のデスクワークや姿勢の乱れ
- 腰の筋肉の疲労や血流不足
- 椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症といった構造的な問題
- ストレスや自律神経の乱れ

特徴
- 腰そのものに痛みや重だるさを感じる
- 前かがみや長時間の立位・座位で悪化しやすい
- シビレは必ずしも伴わない

つまり、腰痛は「腰の痛み」をまとめた総称であり、原因は多岐にわたります。
3. 坐骨神経痛とは?症状の出方とメカニズム
一方で「坐骨神経痛」は、実は病名ではありません。
坐骨神経痛の症状
坐骨神経という太い神経が刺激されて出る症状 を指す言葉です。
坐骨神経とは?
- 腰からお尻、太ももの裏、ふくらはぎ、足先まで伸びる長い神経
- 人体で最も太く長い神経のひとつ
- お尻から太もも、ふくらはぎ、足先にかけてのシビレや痛み
- 「電気が走るような痛み」や「ピリピリした感覚」
- 足に力が入りにくい、感覚が鈍いといった神経症状

よくある原因
- 椎間板ヘルニア:飛び出した椎間板が神経を圧迫
- 脊柱管狭窄症:加齢や変性で神経の通り道が狭くなる
- 梨状筋症候群:お尻の筋肉が硬くなり神経を圧迫

4. 腰痛と坐骨神経痛の違いを整理
腰痛と坐骨神経痛の違いを表にすると、理解しやすいです。
腰痛 | 坐骨神経痛 | |
---|---|---|
定義 | 腰の痛み全般を指す症状名 | 坐骨神経が刺激されて出る症状 |
症状 | 腰の痛み・重だるさ | お尻~足にかけてのシビレや痛み |
原因 | 筋疲労、姿勢、椎間板、ストレスなど多岐 | ヘルニア・狭窄症・筋肉の圧迫など神経性 |
受診目安 | 日常生活に支障が出る痛み | シビレや力が入らないなど神経症状が強い |
つまり、腰痛は「広い概念」、坐骨神経痛は「神経症状に特化したもの」と理解すると整理しやすいでしょう。
5. 放置すると危険?医療機関を受診すべきサイン
腰痛や坐骨神経痛は、軽症なら自然に改善することもあります。
しかし、次のような症状がある場合は注意が必要です。
- 足に強いシビレや脱力感がある
- 排尿・排便がコントロールできない
- 夜も眠れないほどの痛みが続く
- 数週間たっても改善の兆しがない
これらは神経が強く圧迫されているサインかもしれません。

自己判断せず、早めに整形外科や専門医を受診しましょう。
6. 自宅でできるセルフケアと予防の工夫
軽度の腰痛や坐骨神経痛であれば、日常生活の工夫で症状を和らげられることもあります。
姿勢を整える
- 長時間同じ姿勢を避ける
- デスクワークでは背筋を伸ばし、腰を支えるクッションを活用
適度な運動
- ウォーキングやストレッチで血流改善
- お尻や太もも裏の筋肉をやわらかく保つ

体幹トレーニング
- 腹筋・背筋をバランスよく鍛えることで腰の負担を軽減
ストレス管理
- 睡眠をしっかり取り、リラックスする時間を意識的に作る

ただし、強い痛みやしびれがあるときは無理せず安静にしましょう。
7. まとめ
- 腰痛は「腰の痛み全般」を指す広い言葉
- 坐骨神経痛は「神経が刺激されて足まで広がる痛みやシビレ」のこと
- 両者は重なる部分もありますが、神経症状があるかどうか が大きな違い
- 受診すべき危険サインを知っておくことが大切
- 姿勢・運動・筋力トレーニング・ストレス管理が予防に有効
正しく理解することで「ただの腰痛だと思っていたら…」という不安を減らし、早めの対応につながります。
掲載者情報
総合病院にて理学療法士として勤務し、
腰痛・肩の痛み・膝のリハビリを中心に、
これまで多くの患者さんをサポートしてきました。✨
このブログでは、理学療法士としての経験を活かし、
日常生活で実践できるセルフケアを、
わかりやすく発信しています。
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